今回いよいよアスランとシンが対決。グフの“ザクとは違う”その真価がいよいよ発揮される!!!!


ガンダムSEEDデスティニー37話 雷鳴の闇



<あらすじ>
アスランが裏切り者としてシンに討たれ、ロゴスを撃つべく追討軍が出撃。


<みどころ>

前半、シン・レイVSアスラン&メイリン。待望の主役対決・第二段!!!

アスランは敵だ、とのレイの断定に戸惑うシン。
彼の「なんでアンタが?」という発言が「お前にそんな度胸ないだろ?」と言っているように見えて仕方がないのは気のせいか?
あ、「なんでお前敵になった瞬間に強いんだよ!?」ないしは「俺のメイリンに手を出すな」ってのもアリだな。

とはいえしょせんはアスランあっさり追いつかれる。メイリンが命がけで稼いだ時間なのに・・・・
シンの説得を試みるも銃を撃ちながらだったためレイの「錯乱している」との表現の方がよほど説得力がある始末。(「お前漢字で書くとアスだな」とかってカガリとか幼年学校時代のキラとかあたりに言われてそうだ。)

ほとんどいいところのないまま追い込まれ、フリーダムとほぼ同じ構図で落とされるグフ。
アスランの「やべぇよキラでも避けられなかったんだもん俺じゃ絶対無理だよ」と言う切実な思いとメイリンの後悔が伝わってくる手に汗握る名シーンである。回収されたコックピットは異臭が漂っていたのではあるまいか。

そういえばアスラン、せっかく乗せたメイリンをせめてひざに乗せてやるくらいできないものか。この男は歩兵とか特殊部隊の方がよほど適性があるように見える。
MSに取り付かれて性格が変わるキラとMSに乗ると途端に地味になるアスラン。こういうところでも好対照になるとは心憎い。さすがSEED。


それにしてもレイ、これまでの“仲間”を何のためらいもなく撃っているのはいかがなものか。
ここでふと、メイリンがフレイに見える、なる説を思い出す。レイの前身はクルーゼ?である。“赤服のアスラン”と“フレイのようなもの”に対し問答無用で撃ちかけた心中に何が去来したのだろう?フレイのあの性格である。クルーゼの触ったところを雑巾で拭くぐらいのことはしていたのかもしれない。虐げられた超人のさだめ、むべなるかな。
そういえば議長の問いに対して「はい、そうではないと思います」と日本人が英語で犯しやすいミスの典型のような回答をするレイ。彼のこの発言も実に巧妙で、あとで「メイリンはアスランの手を取るときに一瞬躊躇した」という矛盾を突かれてもちゃんと予防線が張ってある。さすがというべきか。

とはいえ、レイもシンもさすがは有能な軍人である。ザコ相手にむやみに秘蔵兵器を使っていない。


さて、落とされたグフの二人。潜入していたキサカの王大人ばりの活躍無事回収される。コーディネイターの遺伝子バンクの中には男塾のも当然混じっているのだろう。
テロ行為ばかりか暑苦しい(≒汗水たらしてまじめに働く)人々のほんのわずかな希望までも奪い取る美形(セレブ)たちの横暴までも余すところなく描かれている。さすがは21世紀の旗手的名作・ガンダムSEED。現実をどこまでもシビアに描いてくれている。そのうち「醜悪なものは生きる権利がないのよ」とか言い出すやつが出てこないか心配になってしまう。


デスティニーの初戦闘となった今回、キラ戦とほぼ同じ角度でグフに剣が突きたてられいる。結果、パイロットはもちろん生存。ガイアのときといいキラのときといい、シンの紙一重の見切りというか間合いの感覚は神技の域に達しているのではあるまいか。
ふと気になったのだが、サーベルでコクピットが被弾した例は多いが“突き”で死んだ人間は記憶する限りクルーゼとアウルだけである。CE時代の装甲は力が集中するはずの“突き”より、なぜか“薙ぎ”に弱い(だからキラはシンに殺意があったと思われる)。特定のエネルギー集中点だけ装甲の密度が増す技術でもあるのだろうか。(構成の甘さだなんて野暮なことは言わないのはもはや暗黙の前提である)


さて、今回ひそかに大活躍?のキサカ。議長軍にまぎれたと思いきや早くも情報収集。それも肉眼で。でもって嵐の中に小型艇で出航、無事アスランたちを救出。
・・・・マジでランボーなのねこの人。そのうち素手でMS倒すとかするのだろうかこの人も。

非常線を張り旧連合勢力を警戒する割に現場の思いっきり不審な船を見落としている議長。ていうか潜水艦隊出せよ。シャア議長はグーンとかヒゲに恨みでもあるのだろうか。
タリアとうまくいかなかった理由も案外船酔いとかが原因なのかもしれない。「船酔いすら克服できないで何が新人類だぁ!」とか。



後半、ロゴスを追討すべく議長軍が出動。地球軍がいつの間にか当たり前のようにザフトに組み込まれてしまっている。
とはいえロゴス、どうすればここまで恨みを買うんだろう。各国はよほどロゴスに借金でもあったのだろうか。


ここまで考えてハタと思い当たる。
ロゴスの主力商品は地球軍の兵器である。とはいえSEED初期のガンダムはモルゲンレーテ製だから、彼らの売り物はダガー以降の兵器とかメビウスとかその辺になるわけだ。むろん3バカガンダムも含まれる。それかられいのエクステンデッド。恐らくはザムザザーとかゲルズゲーも彼らの商品であろう。もちろんウィンダムも。

・・・・詐欺商品ばっかじゃん。そら怒るわ。

恐らくはロゴスの営業が
「お待ちかね!ガンダムの量産型が出来ましたぁ。あのストライクをベースにしてますからねぇ。性能?そりゃあ量産型ですよ、試作機なんかとは比べ物になりませんよ」とか
「今度のガンダムは相手のビームを完全にはじく上にビームを曲げて相手の死角から当てることも出来ます」とか
「今度の商品はあのローエングリンですら跳ね返すことが出来る上に飛行が可能、おまけにMS相手に格闘戦も出来る優れもののMA、その名もザム・ザ・ザー!!!。これだけの機能がついて、な、な、なーんとこのお値段。さらに!今ならおまけで専属パイロットまでついてきます。これからの時代はMAですよぉ社長さん」とか
「今度の商品はどんな砲撃でもはじく上に従来のMSよりも足の数が多いので4倍の速さで動くことが出来ます。ザムザザーのようなことはありませんから」
などといって欠陥商品とか抱き合わせを売りつけて散々ぼろもうけしていたに違いない。比較的マシな商品作ってるモルゲンレーテは槍玉にあがってなかったもんな。

・・もしかしてグフもロゴス商品?「ザクとは違うんですよ〜」なんていかにもうさんくさい営業がいいそうだもんな。あはれハイネ。


で、その金で開発された“使い方さえ間違えなければすごくマトモな商品”つまりデストロイとか3バカガンダムはブルコスに提供されて想定通り?の戦果を挙げている。


してみると、議長。
彼の敵は「欠陥商品を売った金で人民への無差別テロを教唆する企業」で、仮想敵は「テロ支援国家」である。





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すごく正しい人に見えるんですが。

企業をつぶすためにわざわざ戦争を起こすのはてっきりバカだと思っていたが訂正させていただく。

議長は偉大
である。

よし、今日から俺もデュランダルTシャツをきて布教活動にいそしむとしよう。ピンクの陣羽織に洗脳されていた日々よ、Good Bye...



というわけで議長、正しいことをやっているんだから最近になって胡散臭さに拍車がかかってるのをどうにかしてくれ。そういえば今回はチェス板がない。タリアに振られたときといい、この人はチェスを持ってないと調子でないのだろうか。チェス依存症の人間も珍しい。


だからといってパブリックスペースで堂々とメソメソするどっかのミニスカも社会人としてどうかと思うが。この女は背骨研究会なのだろうか。(背中に顔をくっつける団体)
とはいえこのシーン、共感は出来たし胸にぐっと来るものもあった。いろいろな意味で大事なものを失った生き残りの仲間二人が支えあうのはむしろ必然ではなかろうか?特にこの二人は古いなじみである。


終盤、オーブに帰港するアークエンジェル。私有地の地下に軍港があるのに全く驚かないアマギ。モルゲンレーテのメンバーにいたってはすでに待機している。あれ?まだアークエンジェルってテロ扱いだったはず。

オーブの正規軍=アークエンジェルって解釈でやっぱりOKなわけね。つまりアルカイダとイラク?拉致までやってるから北朝鮮?


今回、意味深なラクスの発言がある。
「ヘブンズベースが落ちたら誰も彼(議長)を止められなくなります」とのこと。
つまり、ネコ男とラクスとオーブでようやく議長軍と互角というわけだ。加えて各勢力内部に浸透した潜在的な支援もバカにならないはず。また、彼女の手元にはれいの2機のほかにドム隊がいる。ラクス軍の売りは当千の精鋭部隊による中枢部への強襲だから、最悪この戦力で議長まで肉薄できればジェネシス攻略戦のように勝敗を決することができる。だが冒頭の発言。それさえ封じられたということである。

あのラクスを外交でも戦略でも戦力でも追い詰めた議長。

ピンクの陣羽織に洗脳されていた日々よ、Good Bye...

※俺的には、君主としてはラクス>議長です。念のため。
(SランクとAランクの違いのようなもの。議長にはラクスの戦法を検討する時間と奇襲をかけているアドバンテージがある)




ところで今回、ハイライトはシンにとっての分岐である。

他人の言葉に流された心地よい未来か、自分の手で考えて勝ち取る未来か。

このフレーズだけ与えられたら“流されてる人”はアスランだよなぁ。
現状の世界情勢では議長に理がある。主人公が誰なのかを考えなければ。

この話はたびたび現在の世界情勢になぞらえて話が進むわけだが、テロ国家とされている国の人々のことまで考えて、物事を客観的に把握して堂々と行動できる真の自立した世界市民になれという福田監督のメッセージに違いない。

うーん、深いなぁ。


<けつろん>

で、フェイスってなんだったの?

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