モバイル環境の導入によりやっと感想が時流に追いつけそうである。とはいえTVチューナーがない=パソコンで任意の再生ができない。
これ、ひそかに痛い。とはいえガンダム、しかも種運命3回分のためにわざわざTVチューナーつきを買う気にもなれるはずもない。
これで残りが半年とかなら考えていそうな自分がいる。鬱である。


ガンダムSEEDデスティニー48話 新世界へ


<あらすじ>
議長のデスティニープラン宣言に揺れ動くそれぞれの反応。そして局面は最終決戦へ。

 

<みどころ>
まるで遺言のようにシンに語り掛け、『俺はクローンだから』とカミングアウトをするレイ。
見所というほどではないが象徴的なシーンである。この話、シンを軸にレイ対アスランという先輩?たちの人間ドラマとして描いていればそれなりに面白かったのではないか。順当に考えるならやっぱりレイをヒロインとして、か。あるいは逆にゴツゴツ型の男にするか。いまの優男ホモ路線よりはいい結果が出ていたように思える。

冒頭、斬新な視点での総集編・・・ではなくデスティニープランを宣言するシャア議長。いきなり機械的な音声での説明が始まる。というかデスティニープラン、中身はすごいのかもしれないがこれでは怪しい詐欺商品にしか見えない。とはいえCE世界はロゴスの名を聞いただけで市民がロゴスをぶち殺しに行く世界、つまりはみんながロゴスに痛い目を見ていて、もっといえば詐欺商品には思いっきりだまされやすい人たちの集まりな世界である。告知の方法はこういうほうがいいのかもしれない。

冒頭の議長の説明、本編全体を見ていると『世界の秩序を乱す無知な欲望のカタマリ=オーブがまだ生き残っている。さっさと討ってしまおう』という結論付けも十分にできる気がする。話の展開から言って“オーブを先に討たなかったことが議長にとって致命傷になる”のはまず間違いがないだろうし、タリアとのこともあわせ、議長って無駄に遠回りしすぎて失敗する人間の典型に見える。


本編、議長宣言に揺れ動く各所の反応。つまりアークエンジェル以下“主人公”側とシンたちミネルバ組、そしてカガリ。のこりの極めて少ない比率でパンピーのみなさん。とりあえず大別すると

アークエンジェルとカガリ:とにかく反対。断固反対。
レイ             :とにかく賛成。絶対賛成。
それ以外         :わけわからん。ふーん。近くにいるヒトはどう考えてるんだろう。

賛成の根拠:現状はまずい。解決策は(現時点では)議長のものしかない。
反対の根拠:議長しようとしていることは個性の否定である。


正直どっちもどっちなのだが(オーブに至ってはカガリにまともな議論させること自体無理なのではないか?親父に敬語つけてるし)、ここでもポイントはラクス。

議長の世界は人の運命を決め付けるから悪だ、と言いながら議長世界=死の世界、と断定している。レイを見ている限り「どんな環境でも工夫して道を作るのが人である」という結論付けも十分に可能なはずだが・・・少なくともアスキラが勝手に想像して脅えている以外に明確な根拠が示された覚えがない。

ともあれこの『死の世界』というすり替え、表立った反論もなくアークエンジェル共通の見解とされてしまった模様。これから議長の敵の共通のスローガンにもなるのであろう。


今回のラクス、アスキラに対し『従わねば死。どちらにせよ、世界は終わりです。逃げ場はありません。』とのこと。
一見議長批判のようでもあるが、案外
(私が『ついてこい』って言ってんだからありがたいと思っておとなしくついて来い。あぁ?疑問があるだぁ?てかあなた私に逆らったらその瞬間に死ぬよね?逃げてもムダっしょジャスティスって私でも使えるしドム隊いるし^^)
という激励なのかもしれない。なんせ圧倒的に不利な最終決戦が目前で、目の前の人間に「死んでもいいから私のために戦え」というのがラクスの仕事のはずである。

どうでもいいがシンもレイも兵士。政策が気に食わなくても国のために戦うのが仕事のはず。自分で選んだ道なんだからみんなしゃっきりしろよと言いたい。
その意味ではSEED第一話にして「ガキどもがふぬけだ」と見抜いた故ナタル・バジルール女史こそ、まさに慧眼と言うべきであろう。

後半、地球軍残存艦隊をなぎ払うレクイエム。放ったのは議長。どうせやるなら敵の仕業ってことにしてザフト内の反対勢力一掃しちまえばラストも盛り上がるし一石二鳥なのに。


今回久々にチェス板を取り出す議長。最近の本編を見ていると『駒のスケールを逸脱している戦力を駒と誤認している』ことも敗因の一つなのではないか?確かに別の意味で思い込みが彼の首を絞めているのは事実のようである。って、彼はまだ負けてないか。


どうでもいいが、議長の計画にせよシンレイの決意にせよ物語の中盤あたりで出してれば(『悪夢』のあたり)とても味の深い作品になったのではないか?


<けつろん>
まさしく、後の祭り。(地元はお祭りシーズン♪)



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