ガンダムSEEDの勢力考察。

おもいついたことをつらつらと

<オーブ沖会戦の意義>

第12話を見ていて、ふと思ったこと。

 

ガンダム以外にはすでに陳腐化したザク2機しかMSを擁していないミネルバ。新鋭艦とはいえ戦力はいかがなものか。ザフトの主力が降下を開始しているこの時期に、一方面艦隊を丸々ぶつけて見合う相手とも思えない。

その地球軍艦隊、主力は前回の「核運搬MS」、顔だけガンダムの新鋭機ウィンダム。試作MAザムザザー(モヒカンMA)に護衛艦。

率いているのは平凡顔したおっさんで、「これからはMSではなくMAの時代」とのたまう。彼の指揮は拙劣そのもの。全軍で総攻撃をかけるものの有効打をろくに与えることもできず、いたずらに虎の子のMSを失っていく(そのために話の後半でインパルスの接近をみすみす許して艦隊が大打撃を被る)。業を煮やしてモヒカンを出したものの、遠距離支援用の機体に接近戦をやらせたためにあっさりオシャカ。艦隊にいたってはミネルバのどうでもいい砲火でバンバン沈んでいく始末。

してみると。
この戦、地球側からしてみると
体よく不穏分子を一掃するための戦いだったのではあるまいか?

つまり、この戦いでMA推進論者とその切り札的機体は消滅している。また無能なスタッフ、旧式艦も多数処分されており、目的が「敵の手によるリストラ」ならまことに都合が良い。前回の“侵攻作戦に名を借りたタカ派の一掃”の手際といい、ネコ男(二代目ブルコス盟主)もなかなか考えているようである。


なお、地球軍の次世代機といわれているウィンダムだが、これまでの運用を見る限り多分にダミーだと思える節がある。つまり、対空砲火へのかませ犬やMAでも代用可能な爆撃任務など、前評判の割にマトモな運用をされていない。戦闘能力も低く、ジン相手に苦戦していたシンにばったばったとなぎ倒されている。ウィンダムはザフトの赤服と同様に「軍内の問題児」を体よく処分するための措置なのではないか?
だとすれば、今回の鉄砲玉のようなやられっぷりも納得というものである。

一方、ミネルバ出航の原因となったもみあげ(虎)発言であるが、これも微妙である。この世界ではテレビを見ていれば軍隊の動きは全部わかるはずなので、普通に考えるとオーブのテレビが見られるオーブ国内の方がミネルバには都合がいい。

ソレをあえて出国させ、ザフト本隊から孤立させて誰が得をするのか?

 

むろん、もみあげの上司のラクスは得をする。ラクス軍の戦い方は少数精鋭で敵の急所を一気に痛撃する方式である。キラを食い止めうる戦力と機動性を持ち合わせるミネルバ隊は大きな脅威となる。

 

 

前述したカガシン路線だが、この可能性を懸念したのはラクスだけではない模様。

議長の働きかけによってミネルバに合流するセイバーガンダムはラクスへの備えなのか、それとも獅子身中の虫へのカウンターパーツなのか。現状ではザフトの圧倒的優勢であり、オーブ方面で懸念されるのはミネルバの造反とラクスの決起であるのだから・・。


さて、オーブ側。もみあげの変態貴公子ユウナ君。結論を説明する理屈とリアクションはともかく、政略センスは悪くない模様。

地球軍と同盟という選択もさることながら、ミネルバにまず地球軍をぶつけさせたのも正解に見える。オーブは義理を欠くことなく戦力を温存している。のみならず、ミネルバの脅威を理由に大々的に地球軍に支援の要請もできる。それでいて、オーブが一枚岩でないことも強調しているのだから、ザフトが勝った場合でもカガリを中心に外交を展開する余地が残されている。

 

・・・デスティニーって設定から考える分には面白いんだよな。本編で裏切られっけど(TT

(2005.1.1)

 

 

 

 

 

<カガシン路線>

 

11話を見ていてふと思った。

カガリの回想シーンにシンが出てきている。&カガリはシンのことを名前でちゃんと覚えている。

また、カガリがシンを見る目は「こわいひと」ではなく、「傷つけちゃった友達」に見える。

ここで、恋愛トリックとか言うものを思い出す。わざと強烈(ショッキング)なことを言う、っていう作戦だ。ソレを言われると相手は気になってしょうがないってヤツ。

同様に、政治でも滅茶苦茶なことをいって注目を集めるという方法がある。たしかプレゼンでもそうだっけか。

よく取りざたされるシンの異常性を「注目を引く手段」と考えると、カガリという女性の気を引く目的では実にうまく機能していることになる。

また、カガリの場合、シンの異常性は彼女の罪悪感に作用する。シンに詰め寄られてもつれ合ったりしたら十分に既成事実は発生しうるのではないか?(カガリに「全部受け止めてやるから私にぶつけろ」とか言われると甘えそうなのがシンである)

 

・・・これはウマイ。

演技だとしても、カガリ=オーブ、という現状を考えれば、コストは十分に見合う。

 

一方、カガリにとっては。

アスハの戦争の孤児がシンである。政治的な効果はそれなりに見込める。シン自体も経歴が特異なものであり、しかも軍ではトップエリートまで上り詰めているから一応問題はない。能力についても地球軍の太平洋艦隊を単機で痛撃できるため、申し分ない。

また、アスランに対しては、彼がザフトに奔った時点でアスランのほうからカガリを裏切ったと捉えることは可能である。

さて、問題はユウナだなぁ・・・・あいつならどうとでもなりそうだが(笑

 

 

で、カガリとシンがくっつくと何が起きるか。

従来は真空地帯扱いだったオーブがそのまま、覇権争いに参戦することが可能となる。

ユウナよりもわかりやすいヒーローであるシンとくっつけば、プロパガンダしだいでは国民に熱狂的に迎えられることになる。

シンの経歴は国民感情を刺激するのに十分だし、少なくとも戦意(ないしは自衛意識)は高揚する。

この新オーブ軍には量産型MSはすでに存在する。加えて、パイロットの自由意志になぜか機体までついてくるこの世界では、ガンダムもオーブのものとなっているはずである。

 

また、このカップルはザフトに非常に縁が深い。仲良し同士はだましたりしない、の法則でザフトは(当面は)そのまま味方になる可能性が高い。少なくともミネルバの戦力はそのまま運用可能となる。

 

つまり、量産MSをもたないラクス軍、量産MSしかない地球軍を相手には相当有利に運ぶわけだ。

おまけにシンには議長とラクスのお色気作戦は効かない模様。

 

 

あーあ、この二人が天下とってくれないかなぁ。

(2004.12.31)

 

 

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