『デスティニーはすごいんです。友情努力勝利の全てが詰まってるんです。』

前回の私のコメントである。今回実際にそうなった。

今回のシンの対キラ戦は非常に見ごたえがあり、またビジネスにも応用が利くくらいに示唆に富んでいる。

これでシンが悪役扱いじゃなければいいんだけどなぁ。

 


ガンダムSEEDデスティニー34話 悪夢



<あらすじ>
シャア議長の差し金でアークエンジェルを攻撃するミネルバ。フリーダムがキラに撃墜される。

 

<みどころ>

なんといってもキラ対シンの対決であろう。止め絵だった前作アスキラ戦のフラストレーションとマトモに活躍させてもらえなかったソードストライクの無念を晴らすかのごとく、これでもかとばかりに活写されるギリギリバトル。これぞロボットアニメの醍醐味である。シリーズ中で一番面白かった。というかこの腕なら福田監督の自信の何がしかもわかろうというものである。

 

詳細については各所で興奮を交えて解説がなされていると思うので割愛する。一言でいうとシンが入念な準備と努力の結果キラに勝つ。詳細は『シン=アスカの勝利学』にて。

また見返してその後エウレカをみる。作品としてはなるほどエウレカは良い出来なんだろうけどやっぱシンである。恋より勝利を選ぶあたり俺もシンだ、うん。

 

さて今回、まず前回の議長発言を受けた各所の反応。ユウナはいつの間に本国に戻ったのだろう?というかカガリに政治知識があったのもさることながら、ザフトは軍産複合体、つまり戦争の兵站整えてくれる企業と戦争なんぞしてどうするつもりなのだろう?ザフトの連中はZodiacという単語を知っていてもLogisticsとかOrganizationなんて単語の意味は間違いなく知らないんだろうなぁ。ザフトが前回の大戦を勝ちきれなかった理由がよくわかる気がする。

ザフトっていまだに階級5段階くらいしかないんだろうな、きっと(フェイス、白、黒、赤、緑)。そういう軍隊は頭をやられればすぐ機能停止ですハイ。

 

それより地球に隕石を落したやつのタワゴトなんて真に受けるなよ地球人。それ以前にこの騒ぎって関係者が落ち着いていればただの敵のせこっちいプロパガンダで片付けられた気がする。

現実ベースで考えると本当はマリューの「連合かザフトの二色に分かれつつある」という認識のほうが正しいのか。ものすごく間違って聞こえたのだが。

 

しかし議長、あらゆる場所にチェスを持ち込んでいる。クルーゼに負けかけた一局がよっぽど悔しかったりしたのだろうか?

 

どうでもいいがアークエンジェルはなぜ苦戦しているのだろう。ミネルバが来てからはともかく、それまでの戦力はシャトル強奪時と大して変わらないように見える。

ていうか彼らの基本理念って『無意味な戦闘を避ける』だったのネ。無意味の基準がどの辺にあるのかを是非知りたいものだ。

 

ていうかこの話、どこが悪夢なんだろう?キラが好きで好きでたまらなくて一瞬でも死んだように見えたら生きる意欲がなくなるごく一部の視聴者にとって?

 

さて、今回の戦闘が面白かったのは周知の通り。アニメ史上に残るといっても過言ではない名勝負であろう。というかシンの鮮やかな作戦勝ちというべきか。

ここでもポイントがいくつか。あるサイトで見たのだが、シンが分離して攻撃をかわしたシーン、キラはコクピットを狙っている。不殺をついに破ったわけだ。

キラの不殺が破られたのは記憶する限りプロヴィデンス、デストロイに続いてこれが三回目。してみると彼の不殺の封印は自分が一番(=お山の大将)でなくなった時に発動するものらしい。

 

ついでに、このときのキラの仕掛け方はフリーダム初登場時の対イザーク戦に酷似している。止めを刺すシーンでもそうだが、シンはキラの戦い方とフリーダムのスペックについてC.E.0070(前作)時までさかのぼって研究して対策を立てていたのであろう。

加えて、決着の貫通シーンではシンは前回(ステラ死亡時)の教訓を生かしてちゃんと捨て身で踏み込んでいる。フリーダムに対艦刀の装備がないこととシン天性の見切りセンスを前提にした作戦とはいえ、成長が垣間見られて小気味よい。

 

ていうか女のためではなくプライドのために体を張るシンがサイコー。

 

さらに今回の戦闘、シンがキラのマークでついてからは一度もハイマットモードが発動されていない。友軍からの隔離という意味でもシンはきっちり仕事をしていたわけである。

 

非常にどうでもいいがシン、全くマユのことを思い出していない。思春期の男はこれだから(以下略)。てかそのうちステラが妹だったとか脳内変換されないかちょっと心配である。そうなっても周りは絶対許容しそうだし。

 

<けつろん>

カガリが泣かなかったのがアークエンジェルの運の尽き。

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